お手上げ

関わった少数生産車がだいぶ難産だったのはこの前書いた通りです。

保安基準担当としては「あとこことここがクリアできれば何とかなる」とある程度ナンバーを付けるまでの道筋が見えていることが殆どです。この車の時もそうで「このように車両を変えればナンバーが付くと思います」と関係者に対して話をしていました。

ただ、この車はよっぽどだったのか「そういうのは。メーカーが何とかしてくれないと…うちらではもうお手上げです」とメカニックに匙を投げられてしまいました。

勿論メーカーが動いて対応してくれればそれに越したことはありませんが、たった1台のためにかなり大掛かりな改造を施した上で協定規則の試験の受検をメーカーにやってもらうというのは仮に費用を全てこちらで負担するとしたとしても到底現実的と思えませんでした(実際、断られました)。

壁にぶつかった時にはなるべく多くの選択肢を提示するようにはしています。中には「非現実的だよ」と言われるものも少なくないですが、満額回答にならなかったとしてもできる限りお客さんの要望には応えたいと思うからです。

この車が国内に入ってきてから「この車にナンバーを付けるのは無理だな」と思ったことはなかったですが、最終的にはメカニック側が折れて「公道走行可能」という最低限の目標はクリアできました。

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